『フラジャイル』1~10巻を読んだので感想など
フラジャイル 病理医岸京一郎の所見(1) (アフタヌーンコミックス)
- 作者: 草水敏,恵三朗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: Kindle版
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この作品、ドラマ化していたんですね。まったく知りませんでした。
TOKIOの長瀬智也と武井咲が出演していたそうな。
医療現場を題材にした作品なので、どうもシビアに観てしまう癖があってキャストをざっと確認しただけで残念ながらドラマは見ることはないでしょう。
続編が検討されているようだけど、武井咲ちゃんが妊娠中なので延期になっている模様。
1巻だけ試し読みできたので読んでみたら、まんまとハマってしまって結局いま出ている巻すべて読みました。
ざっくりなあらすじ
病理医を題材にした作品です。
天才病理医?の岸先生が主人公…でいいのかな?
岸先生が中心だし、そもそもサブタイトルに岸先生の名前が出てるからそうなんだろうけど
岸先生の元で働く元臨床医の宮崎先生(20代後半女性)の話でもある。
病理診断科は患者さんと直接対峙しない科ゆえ、かなりニッチな領域で専門医も少ない。
臨床医からの嫌われ役だったり、病院経営という観点からいえば、削られやすい科のひとつ。(なんだってさ、知らんけど)
そんな病理の分野を舞台にしたお話です。
この作品の魅力
- ニッチな分野ならではの業界の課題を描いている
- 病院経営という現実と、医療従事者としての倫理観や葛藤の対比
- 専門用語がいっぱいで情報量がすごい
- 岸先生、変わり者だけどなんだかんだ面倒見いい
- 病理部にグチりにくる先生とか脇を固めるキャラクターがみんな魅力的
- 死と向き合う人たちをいろんな角度から描写している
医療の分野に興味があるかないかで、最初のインパクトが人によって差がありそうな作品ではあります。
母が医療関係者だったので、中1くらいまでの将来の夢が医療従事者系だったものの、紆余曲折経て全然違う分野に従事しているわけですが、、
歳を重ねるごとに医療従事者にならなくて良かったなって心底思っている。
それは、自分の仕事に対しての責任が誰かの命に多かれ少なかれ直結していることの重圧にたぶん性格上耐えられないから。
奇しくも医者になった友人や看護師になった友人が身近で結構いるので、そういった友人には尊敬してしまう。
余談だけれど、高校大学時代に付き合っていた人も今や外科医です。
彼がすごい精神的に弱っている時にひどく突き放してしまったのを、若気の至りとはいえなんて非道なことをしてしまったんだろう..と未だにたまに思い出しては自分自身ゾワッしている。
本当に申し訳ない。
…話が逸れたので戻しますね(´-`;)
病理の観点から患者やその周辺の関係者を描いているので、普通の医療系モノより推理系に近いのかな。
患者の病気をエビデンスをもとに断定するので。
今後の治療方針や患者のその後を左右するとても責任重大なポジションのようです。
好きなエピソードは、1巻の検査技師の森井さんの話とそれに繋がる7巻の吹奏楽団の父娘の話。
それと9,10巻のハルくんの話。
他にもあるけど、特にこの3つは印象的。
ハルくんと岸先生、岸先生と岸先生が臨床医時代に友人だった日比野先生の描き方がうまい。
常に現実と向き合う厳しさと緊張感のある作品ですが、ちょっとコミカルな描写も挟んでいてバランスがとれているので、読んでいて疲れないのがこの作品の良さだと思います。
いろんな人に読んで欲しいな〜と思いつつも、好きか苦手かハッキリしそうなので、あまり積極的にはお勧めしないけど、シリアスな内容も歓迎な人には猛プッシュします。
先月10巻が出たばかりですが、早く続きの話が読みたいです:-)